宝塚市 M様
Interview
組合員さまインタビュー
宝塚市 M様
<施工前>
<施工後>
費用・・・・・590万円 | 施工部分・・・・・ガレージ・倉庫
うちの方は本当に消極的だったんですけれど・・・兵庫県とか宝塚市から再三お話を頂いたので指定を受けることになりました。
(参考:「ひょうごの近代住宅100選」(神戸・阪神間の洋風住宅)の選定)
もともとこの家は昭和2年頃、大阪に住んでいた主人の父が画家夫婦から週末の家として買ったと聞いています。
戦争があり、大阪の方が空襲を受けたのでこちらのほうへ移り住んできたようです。
先代からの荷物がいっぱいで・・・。倉のようなものがあればいいなあと思ったんですけれども敷地的には難しくて。
ガレージの上に、というのは私の発想だったのかコープさんに言っていただいたのかちょっと覚えてはいないんですけれども・・・
もともと、小さな収納スペースがあったんですよね。
ええ、こちらはほんとに小さな収納だったんです。片屋根のガレージだったんですけれど、うちの上の方で宅地造成が盛んになってきたこの10年くらいでしょうか、盛んに重機が通りまして、ちょうどここがカーブなものですから何度も屋根をやられ(ぶつけられ)ましてね。
もう雨漏りもひどくなって。それにガレージの床の改修も必要でした。
加えて整理をしながら収納できる、倉のようなものが欲しかったというのがもともとですね。
壁紙とか、ちょっとした工事は今までもコープさんにお願いした事があったんです。
でも、本当のことを言いますと最初は大阪の工務店さんに見積りをお願いしていたんですが・・・この「景観形成住宅」とか「近代住宅」とか・・・
そういう指定を受けているものですから、大阪の業者さんはその認可とか何とかがスムーズに行かなかったようで、声をかけてからもう何ヶ月もお返事がなかったんです。
こちらから催促してやっと設計士さんが来られて。
最初は建築申請を出さない範囲での工事のつもりでアイデアを出して下さったんですけれども、裏庭が通れないなど不都合があるものだったんです。それで、コープ住宅さんなら宝塚が本拠地ではないけれど西宮の営業所にも近いし、きっと宝塚の市役所の手続きなどもスムーズにできるんじゃないかとアプローチさせて頂いたら・・・やっぱりそんな感じでしたね、スムーズに。いろいろご苦労なさったと思いますけれど。(笑)
そうですね、行政の景観条例の届出とか、地区計画とか、区域内での行為の届出とか…まあ、複雑でした。(笑)
それから、コープ住宅さんなら担当の方が変わる事はあっても、知らない間に倒産して連絡先がなくなってしまうような事もないだろう
と思って。(笑)
そうですね。やはり母屋とアンバランスになるような外観は避けたほうがいいと思っていました。
この家は立派な重厚な感じではなく素朴な山小屋風に建ててあると思い、主人はそういう景観を大事にしておりますので、それに似合うようなものにしたいと考えていました。
カーブのちょうど曲がり角ですから、上がっていかれる方にも降りてこられる方にも目に付く場所だと思いますのでね。
いかにも物置とか倉庫、みたいなのはちょっと・・・
それで坂本さんと色々お話してガレージの2階というか屋根裏の部分を倉庫にする形に。
実は、瓦は母屋よりいいものを、ね(笑)、私の希望で。
主人も納得してくれましたので、こだわりました。
サンプルも色々ご覧頂きましたね。あと、破風(はふ・・・屋根瓦と外壁の接続部に取り付ける板)の納め方にもこだわったんです。
日本は雨の多い気候ですので破風よりも屋根瓦のほうがせり出しているのが普通なのですが、イメージ写真のような洋風のモダンな雰囲気を出したかったので、破風が強調されるよう樋の形状を工夫しました。
植栽に溶け込むように、以前からそこにあるかのように、というのがコンセプトでした。
画像(左:参考にした写真、中央:雨の多い気候にあわせて工夫した樋、右:破風を強調した屋根のデザイン)
それから、出来るだけ植栽を切ったりしないでそのまま残して欲しいとお願いしたんですが、ちゃんと植栽に養生をかけて保護し、出来る限りそのまま残るようにしてくださいました。
資材を運んだり組み立てる時には大変だったと思います。
そうですね。
ご近所からクレームを受けたとか何か言われたような事は一切ありませんでしたね。お仕事の様子と言っても、特に困った事はありませんでしたし、あんまり見に行ったらお仕事の邪魔になるだろうと思ってあまり見ていないんです。
でも、職人さんには良くしていただいたと思います。あまりお話なさらない方でしたけれど、営業担当の中島さんがしっかりお話してくださる方で(笑)職人さんともいいコミュニケーションを取ってらしたと思いますね。
それから、上り坂の曲がり角の位置、奥行きには限りがある、という難しい状況ながら、こちらは少しでも入庫し易くと要望しましたのに対し、外構の業者さんは出来る事と出来ない事の丁寧な説明を何度も誠実にして下さり、納得できる結果となりました。
この部分の改良も今回の工事の大きなポイントだったと言えると思います。
今はまだ整理の進行中なんです。
建物自体に高さ制限があったんですよね?本当はもっと広ければ言うことはないんですけれど。
息子なんかは、こう・・・屋根が三角になっていますでしょ?これが、もう少し立ち上がっていればもう少し使い勝手がいいんじゃないかって言うんですけれど、高さ的に無理だったんでしょうね。
それから、外観というか形のためにはこちらもある程度は妥協も必要だろうと。
駐車場の方は坂のカーブで本当に入れにくかったのが、ずいぶん入れやすくなって良かったです。
素敵になったね!と皆さんに言って頂いてますよ。
この辺の地域にお住まいの方は、昔占領軍の方たちが作った洋館の雰囲気とか、景観をやはり大切になさっている方が多いんです。
私はここで育ったのではなく嫁いで来たんですけれども、ずっと住んでいるうちにそういう考えになってきていますので、
いかにもガレージではなくこういうまわりの雰囲気に合ったものに出来てとても良かったと思っています。
実際に住むには何かと不便な事も多いんですけど(笑)
当地区は、地域景観形成地区に属し、当建物は市の登録指定建物に指定されています。
その建物の付属建物である車庫の改装工事に携わらせていただきました。
届出など複雑な行政とのやり取りの末、M様の建物への思い入れをお伺いし、デザインを煮詰めていきました。
母屋の牧歌風風情の残る外観を尊重するために、海外の建築物の写真を参考にしながら打ち合わせを進めました。
工事が終わったあと、奥様から
「近所の人から評判がいいの!樹木をほとんど切らずに建物を配置してくれて本当に良かった!」
とおっしゃって頂き、とても充実した気持ちになりました。
この度は本当にありがとうございました。
工事中、奥様はご在宅でしたのでお会いする機会が多かったのですが、なかなかご主人様とお会いできなかったため、
ガレージの使い勝手などご満足いただけるのかどうか不安に思っておりました。
最後にご夫婦がお揃いの時に車庫入れをしていただき、入れやすくなったと喜んでいただけたのでホッと一安心しました。
その節は大変お世話になりました。どうもありがとうございました。
インタビュー:コープ住宅
歴史ある建物や街並みに、ご不便がありながらも愛着を感じ大切になさっている事がとても伝わってきました。
いろいろとお話をお聞かせくださりありがとうございました。